去る6月26日、長年常念小屋の「親方」として親しまれて参りました、常念小屋会長、山田恒男が逝去いたしました。常念小屋の創設者、山田利一から受け継いだ常念小屋と、北アルプスをはじめとする日本の登山文化の発展に尽力された「親方」。近年は、晩夏開催の「常念音楽祭」において、安曇節やほら貝の演奏等を披露し、小屋を訪れた登山客の皆様方を楽しませて参りました。皆様の生前のご厚情に感謝しますともに、ここに謹んでご報告を申し上げます。
「親方自身の筆による、知られざる?常念小屋の歴史」
1919年 (大正8年)
北アルプス尾根最初の山小屋常念坊・乗越小屋、7月27日開業
1932年 山田恒男出生 8歳で初登山
1951年 恒男高卒小屋番に
1956年 父利一死去
1957年 一ノ俣の谷丸太製材 山小屋改築(材は肩で運ぶ)
1962年 山小屋最初の自家発電開始 水は一ノ俣からポンプアップ
1964年 ヘリコプターによる輸送開始(徳澤の河原から)
東京オリンピック(山小屋最初のテレビ観戦)
1965年 電話開局
1969年 家族登山 父・母・健一郎(6歳)・康司(4歳)・貴子(2歳)
1973年 横通岳ケーブル計画
※日本アルプスを守る会会長・信州大学学長加藤先生を中心に
1500人が集まり反対運動を行い、ケーブル計画を断念させた。(初めての市民運動) 1975年 NHKテレビ水色の時(モデルは写真家田淵先生ほか)
1985年 信州大学診療所開設(加藤学長の看板)
1992年 (9月) 皇太子殿下登山宿泊(結婚の前年)
1996年~ 小屋の改修や設備の充実が進む
2000年 全国山岳国立公園で最初のトイレ処理浄化槽等設置(3000万円以上)
常念音楽祭での、在りし日の親方。